飲酒後に体内に発生する毒物がアセトアルデヒドです。
エタノールの最初の代謝産物であり、フラッシング反応(ビールコップ1杯程度の少量の飲酒で起きる、顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・頭痛などを指す)や二日酔いの原因物質となっています。
実はタバコの煙からも高濃度のアセトアルデヒドが検出されます。
これ私も知りませんでした。
お酒やタバコは人体に悪影響を及ぼすことは皆さん知っていると思います。
特に注目して欲しいのは、アセトアルデヒドはマウスを使った動物実験で発癌性が認められ、ヒトの食道癌の原因にもなることが分かっています。
この物質はDNAやたんぱく質と結合しやすい性質を持ち、発癌など種々のアルコール性臓器障害の発生に関与すると考えられています。
お酒を飲んだときに発生する有害物質アセトアルデヒドは、体内の「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」によって分解されます。
ALDHには、アルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。
「ALDH2」の活性が弱いか欠けていると、アセトアルデヒドが貯まりやすく、「お酒に弱い体質」になります。
この酵素の活性は遺伝子によって異なるので、私たちは両親からお酒に「強い」か「弱い」かを受け継ぐことになります。
ただし、アルコールで全身の臓器に障害をきたすのは、むしろ「お酒に強いといわれる体質」の人なので注意が必要です。
また、ALDH2が完全に欠けている人は、いくら訓練してもお酒に強くなることはありません。
全く飲めない人にお酒を強要するのはもっての他ですね。
さらに、空腹時に飲酒をすると、アルコールが胃を素通りして小腸に流れ込むので、アルコールの吸収が速くなります。
空腹時に濃い酒を飲むと、アルコールの吸収が加速されて、血中濃度の上昇がさらに速くなるといわれています。
これに対して、食事やつまみと一緒にゆっくり飲酒すると、アルコールが胃に留まる時間が延びます。
そのために吸収が遅くなり、血中濃度も低く抑えられます。
飲酒時は、空腹で飲むのではなく、少しはお腹に食べ物がある状態で飲むようにしましょう。