こんにちは!トレーナー黒津です。
さて今回は筋トレと呼吸の関係性ということでまとめていきたいと思います。このテーマにしたのはパーソナルトレーニングの中で息を吸ったらいいのか吐いたらいいのか難しいというお声をよくいただくことがあり、知識として知っていても上手にわかりやすくお伝えするためにも再度確認しておこうと思ったからです。
昨今の目まぐるしい毎日であったりストレスのかかる日々で、改めて呼吸によるマインドフルネス瞑想なども注目されています。筋トレも呼吸がトレーニング成果に密接に関係しています。そのあたりをお伝えできればと思います。
ではさっそくいってみましょう!
呼吸法にどんな種類がある!?
まず呼吸法には種類があるのをご存じでしょうか。それは主に「胸式呼吸」と「腹式呼吸」に分かれます。
胸式呼吸は、肋間筋を用いて胸郭を広げることで空気を取り込む呼吸法です。肺を膨らませる呼吸で胸を膨らませる呼吸になります。特徴は、緊張時に優位に働く「交感神経」を刺激できることです。これは血圧の上昇を促すため、身体を目覚めさせる効果が期待できます。
腹式呼吸は、横隔膜を動かすことで空気を取り込む呼吸法です。こちらはお腹を使う呼吸法で深く大きく呼吸することができます。特徴は、リラックス時に優位に働く「副交感神経」を刺激できることです。ヨガなどにも取り入れられ、リラックス効果と緊張をほぐす効果があります。またインナーマッスルを鍛えることもできます。
筋トレ時は腹式呼吸が向いていると言われていて、胸式呼吸より筋トレによる疲労を感じづらいということがわかっています。そのため筋トレにも集中して取り組むことができ、なおかつインナーマッスルも一緒に鍛えることが可能になります。
筋トレ時に腹式呼吸をするメリット
腹式呼吸を意識した呼吸をするとたくさんの恩恵があります。まずは脂肪燃焼に効果的ということです。呼吸によって取り込んだ空気に酸素が多いほど、エネルギー消費量が増加することがわかっていて、胸式呼吸よりも腹式呼吸のほうが酸素を多く取り込むことができます。消費エネルギーが摂取エネルギーを上回ることでダイエットにつながりますが、よりその効果を得られるのが腹式呼吸です。
次に血圧の上昇を防ぐ効果です。筋トレに励むと血圧が上昇する場面が多くなります。そこで、筋トレ時に腹式呼吸を意識すれば、十分に酸素を取り込めるようになり、血中の酸素濃度を高めることができます。酸素をより体に多く巡らせることができれば心臓も無理をしないで済むので結果的に血圧の上昇を防ぐことになるのです。
その他呼吸に意識を向けることで集中力も高まり、運動効率も上がって事故やケガを防ぐことにもつながっていきます。
呼吸だけでもこんなにもメリットがあります。再度意識をして筋トレに励んでいきたいですね。
呼吸のしかたとタイミングについて
では今度は呼吸のしかたとタイミングです。呼吸方法は、息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹に力が入るようにします。鼻から息を吸って、口からフーっと強く吐くイメージです。
息を吸うタイミングと吐くタイミングは、種目によっても多少異なりますが、基本的には、筋肉に力が加わり、筋肉が収縮するときに息を吐きます。力をだすときに息を吐くとイメージしておきます。日常生活でも、重いモノを持ち上げる時や何かを押すときに、無意識に息を吐いていると思います。息を吐くことで、力が入るのですね。また、息を吐くと体幹の安定感が増すので、辛いポーズをキープするときにも効果的です。そして、筋肉が伸張する時、つまり筋肉の力が抜けるときに息を吸います。筋肉の収縮・伸張に合わせて呼吸を行います。
例えばスクワットでいうと、しゃがむときに息を吸います。立ち上がる時にももの筋肉が収縮するので吐きながら立ち上がります。ベンチプレスでいうと、バーベルを胸におろすときは息を吸い込み、持ち上げるときに息を吐きながら行います。無意識に呼吸はできているかもしれませんが、改めて理にかなった呼吸になっていることがわかると思います。
もう一つの呼吸法「バルサルバ法」について
それではここで新たな呼吸法の登場です。バルサルバ法という呼吸法で筋トレ中に自分の限界に近い、または限界を超えた重量を挙げる時に行う呼吸法で、腹圧を高めて、体幹部の深層筋を収縮させて腰椎の安定性を高めることができる呼吸法です。腰椎を安定させることで、トレーニング中の正しいフォームを維持させることができて、ケガのリスクも減り、力を発揮しやすくなります。
筋トレ中重くて歯を食いしばっていきむ経験はあるかと思います。それがバルサルバ法になります。トレーニングの動作のなかで1番キツいところで息を止めるのがこの呼吸のしかたです。主にストラクチュアルエクササイズという高重量のものを扱う際に、使用することができる呼吸法になります。
一つ大事な注意点があり、このバルサルバ法を行う事で血圧が上昇しますので、妊娠している方、高血圧の方や体に疾患がある方は使用できません。それぐらい負担がかかる呼吸になります。
バルサルバ法を使用するトレーニングメニューとは
さきほどバルサルバ法のご説明でストラクチュアルエクササイズという言葉が出てきました。このエクササイズは脊柱へ負荷がかかり、常に体幹を使った多関節トレーニングのことをいいます。
具体的にはバックスクワット、デッドリフト、ショルダープレス、ベントオーバーロー、ミリタリープレス、クリーン種目等が挙げられます。脊柱に負荷がかかり、グッといきんで力を出すイメージが沸くと思います。
パーソナルトレーナーはこのあたりもきちんと理解してトレーニング種目を決めていくのも大切な役割です。
呼吸ひとつみても効果や方法がたくさんあります。慣れるまでは息をとめないこと、慣れてきてからはタイミングにも注意をして筋トレに励んでいきたいですね。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。