突然ですが、日頃の食事の中でどの程度「油の種類」について考えていますか?
なんとなく油は太る・・体にいいものもある・・など様々なイメージはお持ちかと思います。油は脂質とも呼びますが、本当に種類がたくさんあり、摂取のしかたや種類によって体にとって味方にもなるし、良くないものにもなります。
今回はそんな「油」についてご紹介していきたいと思います。
それではさっそくいってみましょう!
中性脂肪、脂肪酸、コレステロールについて
脂肪といっても、中性脂肪といったり、コレステロールといったりなんだか区別がつきませんよね。簡単ではありますが、以下にちがいをお伝えします。
血液中に含まれる脂質は主に中性脂肪とコレステロールがあります。どちらも血中脂質ですが、役割が異なります。中性脂肪は、私たちが活動するためのエネルギー源であり、1gに対して9kcalのエネルギーです。しかし摂りすぎると体脂肪として蓄えられ、生活習慣病を引き起こす原因になります。一方、コレステロールは細胞膜を構成する成分で、ホルモンや胆汁酸の材料になっています。
コレステロールには、いわゆる悪玉と善玉があります。悪玉はLDLコレステロールと呼ばれ、肝臓に蓄えられたコレステロールを全身へ運ぶ働きがあります。これに対して、善玉はHDLコレステロールと呼ばれ、全身から余分なコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きがあります。
食事でとるバターやサラダ油、豚や牛の脂肪、魚の油などの主成分を中性脂肪と呼び、その中性脂肪の大部分を構成して占めるものが脂肪酸です。
脂肪酸の種類
脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けることができ、飽和脂肪酸は動物性で個体、不飽和脂肪酸は植物性で液体のものに多く含まれています。
飽和脂肪酸は3種類
・短鎖脂肪酸
バターや乳製品に豊富に含まれており、体内で腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を発酵することで作られます。体内ではエネルギー源や脂肪を合成する材料として使われます。
・中鎖脂肪酸
母乳、牛乳、パーム油、ヤシ油に多く含まれています。脂肪酸の中でも脂肪になりにくいのが特徴で、体内に余分なエネルギーをため込まないことが研究により明らかになっています。MCTオイルが代表例です。ケトジェニックダイエットのような糖質制限をする場合、エネルギーとしてこのMCTオイルを摂取することが勧められています。
・長鎖脂肪酸
牛や豚の脂に多く含まれます。体内で固まりやすいため、含有率の高い食品をたくさん摂取して血中に増えすぎると、血流が滞りがちになります。
不飽和脂肪酸とは?
植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。不飽和脂肪酸の中でも一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けることができます。
一価不飽和脂肪酸で知られるオレイン酸はオリーブ油やアボカドに多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。一価不飽和脂肪酸は体内でも作ることができ、必須脂肪酸でないため摂りすぎには注意です。
多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられます。
n-3系にはα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)があり、α-リノレン酸は体内でIPA、さらにDHAと変化します。多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸になります。
これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を持っています。ですが、熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。熱に弱いので、食物として食べる場合、揚げ物や炒め物よりドレッシングなどで使用するといいです。
体にいい油とは
いわゆる「体にいい油」というのはこの不飽和脂肪酸のことであり、積極的に摂取することが望ましいです。
n-3系はオメガ3脂肪酸ともいい、主に青魚の油や、えごま油、亜麻仁オイルやくるみなどのナッツ類に多く含まれます。n-6系はオメガ6脂肪酸ともいい、大豆油やコーン油に多く含まれています。このオメガ3も6も必須脂肪酸として体に必要なもので全身の細胞膜の材料になるなど、とても重要な働きをしています。ただ、オメガ6は現代の食べ物には含有率が高いこともあり、あえて積極的に選ぶ必要がないと言われています。
よって、特にオメガ3脂肪酸を積極的に食べていきましょう。オメガ3を摂ることで、血流改善やコレステロール値の低下、アレルギー抑制など幅広い効果が期待されています。
お肉もよいたんぱく源ではありますが、魚も積極的に食べるのがいいですね!
それではここまでお読みいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。