食事制限と有酸素だけのダイエットは、筋肉まで落ちやすく代謝も下がり、リバウンドの原因になります。筋トレを軸にしたダイエットなら「脂肪は落とす・筋肉は守る」を同時に実現。なぜ筋トレが必須なのか、体がそうなる仕組み(メカニズム)から、今日からできる実践法までシンプルに解説します。
筋トレが「必須」な理由
カロリー不足で筋タンパク質の出入りがマイナスに傾く
エネルギー赤字になると、筋タンパク合成(MPS)<分解(MPB)になりやすく、筋肉が落ちる方向に。筋トレはmTOR経路を介してMPSを強く刺激し、分解とのバランスをプラスに戻します。さらにトレ後24時間はたんぱく質の“使われやすさ”が上がるため、同量の食事でも「筋肉の材料になりやすい」状態になります。(国際スポーツ栄養学会、米国、2017年) BioMed Central+2BioMed Central+2
筋肉が落ちると基礎代謝(RMR)が下がり、リバウンド要因に
体重減少では脂肪だけでなく除脂肪量(筋など)も減少→RMR低下。さらに適応的熱産生(いわゆる“代謝の省エネ化”)が起こり、体はエネルギーを節約する方向へ。筋トレは体重減後のRMR低下を緩和し、日常活動エネルギー(NEAT)の低下も抑えることが報告されています。(アラバマ大学バーミンガム校、米国、2008・2015年/NIH、米国、2016年) PubMed+2American Board of Obesity Medicine+2
高たんぱく+筋トレで“脂肪は落ち、筋は守る(時に増える)”
エネルギー赤字×高たんぱく×筋トレのランダム化比較試験では、体脂肪はより減り、除脂肪量は維持〜増加(例:体重1kgあたり約2.4g/日のたんぱく質で有意に有利)。メタ解析でも、1.6g/kg/日前後を目安にたんぱく質を高めると体組成に有利と示唆されています。減量中・トレーニーは(除脂肪量ベースで)2.3〜3.1g/kgが必要になる場合も。(マクマスター大学、カナダ、2016・2018年/JISSNレビュー、2014年) PubMed+3PubMed+3American Journal of Clinical Nutrition+3
“有酸素だけ”より、筋トレ(または並行実施)の方が体組成に有利
近年の総説・メタ解析では、カロリー赤字中に筋トレを組み合わせると、脂肪減少は同等以上、除脂肪量の保護は優位という結論が増えています。(複数研究の統合、2024–2025年) Frontiers+1
今日からできる実践ガイド
トレーニング設計
頻度:週2〜3回(全身)
配分:下半身/背中/胸+肩/体幹をバランスよく
目安:各種目 8〜12回 × 2〜4セット、RIR1–2(あと1〜2回で限界)
種目例(全身サーキット):スクワット/ルーマニアンDL/ベンチ or ダンベルプレス/ラットプルダウン/サイドレイズ/プランク
有酸素:入れるなら筋トレ後に20〜30分 or 別日。やり過ぎると回復を妨げるので週1〜2回まで
栄養(数値は“理由つき”で)
たんぱく質:1.6 g/kg/日を下限に設定(筋合成の反応が最も頭打ちになりやすい目安)。減量が深い/筋トレ歴が長い人は2.0 g/kg/日前後まで上げると安全側。(マクマスター大学、カナダ、2018年/ISSN、米国、2017年) PubMed+1
分配:1食20〜40gを3〜4回(トレ後は特に有効:トレ刺激とたんぱく摂取が相乗でMPS↑)。(ISSN、米国、2017年) BioMed Central+1
炭水化物:トレ前に軽め(例:おにぎり半分+プロテイン)でパフォーマンス維持→扱う重量を下げない=筋刺激の質を守る
脂質:合計カロリー内で過不足なく(オメガ3・ナッツ・卵黄・魚)
総カロリー:体重×25〜30kcalを起点に−300〜500kcal/日の赤字(急激な赤字は筋損失↑・代謝適応↑)
回復(代謝を“守る”要)
睡眠:7〜8時間(成長ホルモン分泌・回復)
休息:筋肉痛が強い部位は別部位or軽めに切替え
NEAT:通勤・階段・散歩で日常消費を下支え(“省エネ化”への対策)。(UAB、米国、2015年) American Board of Obesity Medicine
行動が続くコツ
記録:体重だけでなくウエスト・体脂肪率・鏡をセットで
小目標:重量+2.5kg/回数+1回など可視化できる成功体験を週ごとに
誘惑対策:高たんぱくの“先出し”(例:外出前にギリシャヨーグルト)で過食予防
駒沢大学店の成功例
25歳女性:体重65kg → 61kg(体脂肪率−5%)/8週間
やったこと:週3回全身筋トレ+週1回ライト有酸素、1.6 g/kg/日のたんぱく質、睡眠7時間
結果の理由:
筋トレでMPS↑→分解との差し引きがプラスに傾いた
高たんぱくで材料不足を回避、食欲も安定
有酸素はやり過ぎず、筋刺激を最優先=筋量維持→RMR維持
記録を毎回つけ、小さな成功を積み上げて継続
まとめ(読んだら動く)
筋トレなしのダイエット=筋減+RMR低下+リバウンドの地雷原
筋トレ+高たんぱく+適切な赤字+十分な睡眠=脂肪だけ落として代謝を守る最短ルート
今週の3タスク:①全身筋トレを週2回入れる ②1食20–40gのたんぱく質を3–4回 ③就寝時間固定+7時間睡眠
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参考文献(主要)
筋トレ×たんぱく質=MPSシナジー/1食20–40g:国際スポーツ栄養学会ポジションスタンド(ISSN、米国、2017年) BioMed Central+2BioMed Central+2
高たんぱくの有効域(~1.6 g/kg/日):メタ解析(マクマスター大学、カナダ、2018年) PubMed
減量中の高たんぱく×運動で除脂肪量が有利:RCT(マクマスター大学、カナダ、2016年) PubMed+1
減量後RMR低下(長期の代謝適応):The Biggest Loser 追跡研究(NIH、米国、2016年) PMC
筋トレはRMR・NEAT低下を緩和:介入研究(アラバマ大学バーミンガム校、米国、2008・2015年) PubMed+1
有酸素だけより筋トレ併用が体組成で有利:総説/系統的レビュー(2024–2025年の報告) Frontiers+1

記事の担当者:小野厚太朗


