朝に早起きが続かない理由は「能力」ではなく「脳の状態」
早く起きたいと思っていても、スヌーズを何度も押してしまう。
これは多くの人が経験する自然な現象です。
実は、起きる直後はまだ脳が十分に働いていないため、判断力や意欲が安定しません。
起床後の脳では「正しい判断」が難しい
●科学的に見ると、朝は“間違えやすい時間帯”
英国で行われた2023年の行動実験では、起床直後に判断を迫られた人は遅起き率が29%上昇することが明らかになりました。
これは、前頭前野の活動が低く、意思決定が不安定になる「睡眠慣性(sleep inertia)」が原因です。
この状態で「起きるか? もう少し寝るか?」を自力で選ぶのは、脳科学的にかなり難しい選択と言えます。
“スヌーズのループ”を断ち切るシンプルな仕組み
●意志に頼らず、環境で朝を作る
早起きを習慣にするために、必要なのは強い意志ではありません。
行動科学では、選択の自由度を減らすほど習慣化は加速すると言われています。
具体的には次の3つが有効です。
- アラームを手の届かない位置へ(ベッド外・デスク・洗面所など)
- 朝の最初の行動を1つだけ固定(白湯、カーテン、光)
- 寝る前に“起きる理由”を1行メモ(脳の意図付けが強まり起床率UP)
●習慣化の視点から見る「早起き成功のコツ」
早起きは“気合の競技”ではなく、“環境設計のスキル”。
習慣形成の技術を使えば、誰でも朝を整えることができます。
特に、仕事やトレーニングのパフォーマンスを高めたい方には、
朝のリズムづくりは大きな効果があります。
必要であれば、当ジム(駒沢大学エリア)でも朝習慣の構築サポートをしています。

記事の担当者:小野厚太朗


