まず可動域とはなんのことかご存知でしょうか。わかりやすく説明しますと、肩や股関節などの「動く範囲」のことを指します。
この動く範囲が狭い人と広い人、どちらの人が運動効率の良い、痩せやすい体だと思いますか。
もうおわかりだと思いますが、後者の関節可動域が広い人です。
可動域が広い人は別の言い方で表すと、体の良く動く人と言えます。
可動域は柔軟性とも直結しています。つまり、関節可動域を広げることは、しなやかで柔らかい身体に近づくことができるということです。
ダイエットで言えば、怪我の防止になりますし、同じ種目を行うにしても、可動域が大きいと運動単位あたりのエネルギー量が多くなります。
エネルギー消費が高まれば、脂肪燃焼にも良い効果であることは想像に難くないでしょう。
例えば毎回のセットごとに1RMの消費エネルギー分の差があれば、1週間、1ヶ月、1年単位ではかなりの消費エネルギーの差が生まれます。
塵も積もれば山となるとはこのことですね。可動域の低下は、他にもさまざまな悪影響を与えます。
まず筋肉が固くなっているので、血管が圧迫されて血流が悪くなります。続いてリンパ管にも影響が及び、リンパの流れも悪くなります。
さらには神経が圧迫されて神経伝達が悪くなる、という負のループに陥ります。
血管やリンパ管、神経が圧迫され循環が阻害されると、以下の項目のようになってしまいます。
①脂肪燃焼が促されず太りやすい体質になります。
②老廃物が詰まり循環器系が停滞して、パンパンにむくみます。
③末端まで血流が行かずに冷え性になります。
こうならないためにも、日頃から運動習慣を身に付け、運動前には可動域を広げる動的ストレッチを行い、
運動後は疲労回復や柔軟性向上にも寄与する、静的ストレッチを行う習慣を付けましょう。
また、関節可動域が狭く、関節周りの筋肉が上手く使えないと、姿勢の歪みにも繋がってしまいます。
それに付随して内臓の位置や機能に影響を与え、胃腸の調子が悪くなり、鈍くなることで代謝が下がって太りやすくなります。
余計な贅肉がついてスタイルが悪くなるなんて嫌ですよね。体の柔軟性を高めることで、関節の可動域が広がり、痩せやすい、美肌、むくみにくいスレンダーな美脚、疲れにくい、などといった良い効能が得られ、私生活でも元気に過ごすことが可能です。
関節可動域を広げることが、ダイエットのスピードを上げることに繋がるということが、おわかり頂けたのではないでしょうか。
柔軟性を高めるストレッチをする事ももちろん大切ですが、実はトレーニングをすることでも、可動域を高める事が出来ます。
トレーニングは、一般的に筋力向上や筋肥大を主な目的としていますが、柔軟性を高める効果もあるとの研究報告も出ています。
トレーニングにおいて可動域をフルに使って行うことで、柔軟性が高まったことを示唆しています。
反対に可動域を狭めて行えば、柔軟性が低下するという報告もあります。ですので、可能な範囲で大きな可動域で行うことが重要です。