まず現代の人々がどのくらいのタンパク質を1日で摂取出来ていると思いますか。
厚生労働省の調査によると、調査開始の1947年以降1995年までは右肩上がりで上昇していた摂取量が、その年を堺に以後2017年まで下がり続け、なんと現在は戦後間もない1955年と同水準と言われています。
その主な要因はさまざまですが、食事内容の欧米化でジャンクフードが増えたこと、炭水化物の摂取量の増加、無理なダイエットや食事量の減少による低栄養化、などが上げられます。
カロリーは十分でもタンパク質が不足している「栄養失調」状態の人は少なくありません。
そんなタンパク質量ですが、全員が同じ量を食べればいいとは言えません。
基本的には性別や体重、1日の活動レベル、目的などによって変わります。
例えば、通常の生活を送る成人の場合ですと体重×1gで十分です。体重60kgの人であれば60gです。
分かりやすく代表的なタンパク質量の目安を載せておきしょう。
お魚の切り身1枚=12g
鶏むね肉1/2枚=20g
鶏モモ肉1/2枚=20g
牛肉100g=20g
豚肉100g=15g
卵1個=6g
納豆1パック=8gなどです。
次に今や3.6人に1人と言われている、65歳以上の高齢者の場合ですと、一般の成人よりも若干多めの体重×1.2gが必要です。体重60kgの人であれば72g程度です。
理由は体の状態や持病の有無にもよりますが、若者よりも吸収能力が衰えているため、筋肉量の維持のためにはこのぐらい必要です。
最後にスポーツやトレーニング実施者の場合ですと、体重×2g以上が必要です。体重60kgの人であれば120g以上です。
これだけのタンパク質を食事だけで摂取しようとすると、お肉だけで摂取するなら100gに約20gのタンパク質が含まれているとして、600gものお肉を食べなくてはいけません。
これは極端な例えですが、普通に考えて毎日600gのお肉は流石に苦痛ですよね。ですので、満遍なく様々な食品からタンパク質を摂る事が大切です。栄養素の偏りは不健康の素です。毎食異なる食材からタンパク質を摂ることが理想的です。