電解質と水分の関係性(高円寺 ジム解説)

スポーツドリンクなどでよく聞く電解質、身体には電解質が不可欠など耳にすることかと思います、そんな電解質なぜ必要か?またどんな物なのか?詳しく深堀していきます。

電解質とは

電解質とは?

健康

電解質とは、人間の体の中にも存在し、水に溶けると電気を通す物質のことを言います。

電解質は水中では電気を帯びたイオン(電解質)になり、通電する物質に変化します。

この電解質は、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉などに働きかけていて、筋肉が攣るといった症状などにはこの電解質が大きく関係しています。

そんな電解質にも種類があります。

5大栄養素と呼ばれるミネラルに電解質は含まれそれぞれ、ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどに電解質があります。

ミネラルは水に溶けると陽イオンと陰イオンに分かれます。

一番身近なところでは代表例なナトリウム(塩)でしょう

塩はナトリウムという〔陽イオン〕とクロール(Cl–)という〔陰イオン〕の2つで構成されている物質となります。

これらが水や体内にて溶けて電解質となります。

 

人間の体は、この電解質の陽イオンと陰イオンのバランスによって血管、細胞、神経、筋肉などの動きを調整します。トレーニングや各種運動を行った時、汗が出ます

その時ナトリウム(Na)が汗と一緒に流れ出てしまい、電解質のバランスが崩れることで、倦怠感、頭痛、吐き気、めまい、血圧や臓器血流低下といった「脱水症状」と呼ばれる状態になります。運動だけで脱水になることは少ないですが激しすぎる運動や炎天下、また下痢や嘔吐などでは脱水が起こりやすくなっています。

経口補水液というものを聞いたことがあるかと思います。

これは浸透圧のバランスを保ちやすくするため糖分や塩分、カリウム、マグネシウムなどが入っており、体が吸収しやすいものとなっています。

そのため脱水症状には有効というわけです。

体内の電解質を失っているときに水やお茶だけで水分補給をしてものどの渇きは治まっても体内の浸透圧のバランスは戻らず脱水症状そのものを抑えることが出来ません。


大量の汗、嘔吐、下痢の症状から脱水症状を起こした場合、早く回復するためには電解質をバランスよく含む水分を飲むことが重要となります

電解質の種類、その効果

健康

1、ナトリウムイオン
身体の水分量および浸透圧の調節、神経の伝達、筋肉の収縮など

塩に含まれる

2、カリウムイオン
神経の伝達、筋肉の収縮、心臓の収縮など

カリウムの多いアボカドやバナナに含まれる

マグネシウムイオン
筋肉の収縮、骨や歯をつくる、酵素の活性化など

きのこ類や海藻類に含まれる

カルシウムイオン
神経の伝達、筋肉の収縮、骨や歯をつくる、血液を固めるなど

タンパク質を多く含む食品に含まれる、海藻類にも多い

クロールイオン
身体の水分量、浸透圧の調節、胃酸の分泌など

腎臓と電解質の関係

腎臓

腎臓は、余分な水分や電解質、老廃物を尿として体外に排泄し、必要な水分と電解質は再吸収したりと循環させる機能がある臓器です。

人体は約60%が水分で構成されているのは有名な話です。

体内の水分が著しく減少した時、尿の量を減らす働きをします。反対に飲み物や食べ物で体内の水分量が増えたときは尿の量を増やして余分な水分を体外に排出する働きもあります。

このように体という水槽の成分をバランスよく保って入れたり出したりとポンプの機能があるのが腎臓です。

腎臓の機能が悪いと、電解質の調整がうまくできず、むくみが出てきたり、高血圧や心不全などの症状が出やすくなります。

腎臓にはさまざまな働きがありますが、重要な機能の一つに尿を作るというのがあります。
尿の元は血液です。

1個の腎臓に100万個あるといわれる糸球体と呼ばれる物質によって血液をろ過し、まず原尿と呼ばれる量のもとが作られます。

原尿が腎臓内の尿細管という細い管の中を流れていく間に、体内に必要な水分や物質が集まり「尿」が作られます。

腎臓で作られた尿は、尿管、膀胱、尿道を通り体外に排泄されていきます。

腎臓から尿管へ出て行く尿の段階で、体外に出て行く尿は同じ成分になります。

腎臓は尿により体の電解質のバランスを保っているのです。

脱水症はなぜ身体に悪い?

悩み

前述した脱水症状は何が体に悪いのかを詳しく解説していきます。

脱水症状は、体内の電解質のバランスが崩れ水分が著しく失われた状態です。

体から水分を失うとそれだけ血液の量が減り、血圧が下がっていきます。

そうなると臓器にながれる血液量が減り、必要な栄養素を配ったり、不要な老廃物を流す力が無くなっていきます。

脳の血流が減ると集中力が低下しますし、消化管の血流が減ると食欲不振が起こります。



同時に電解質が失われると、体液が濃い部分を薄め、薄い部分を濃くしようとする浸透圧が維持できなくなっていきます。

ナトリウムイオンが減ると運動中に筋肉が攣るといったこともよく見られる症状jの一つです。

脱水症状にも種類があります。

①高張性脱水(体液の浸透圧が高くなるタイプ)
②等張性脱水(体液の浸透圧が正常なタイプ)
③低張性脱水(体液の浸透圧が低くなるタイプ)

脱水症状は水分と電解質のどちらがより多く失われるかで、3つのタイプに分かれます。



電解質より水分が多く失われて体液がいつもより濃くなった状態が、高張性脱水で、汗をかいた時によく見られる脱水症状です



電解質と水分が体液と同じ割合で失われるのが等張性脱水です。下痢や嘔吐などの水分を失うスピードが早い時に起こります



水分より電解質の方を多く失った状態が低張性脱水です。

汗などで電解質の補給をせず水分のみの摂取で起こりやすいです。


まとめ

運動

いかがでしたか?

身体に必要な電解質、不足すると身体にとって大変な影響を及ぼしてしまいます。

脱水だからとただ水分のみを摂ればいいわけではなく電解質も合わせて必要となるのです。

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記事の担当者:古林修

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