内臓脂肪とは?

まず、内臓脂肪とはどういった脂肪なのかについてご紹介します。
脂肪には内臓脂肪、皮下脂肪の2種類があります。
皮下脂肪は、皮膚と筋肉の間につく脂肪でおしりや太ももなどにつきやすい傾向にあるのに対して、内臓脂肪とは、腹部を中心とした臓器の周囲に付着する脂肪です。
この内臓脂肪と皮下脂肪を合わせたものがダイエット中などによく聞く体脂肪なのです。
内臓脂肪には、いくつかの特徴があります。
まず、お腹周りに脂肪が蓄積されるため、りんご型と言われる体形になることが特徴で、男性に多い傾向にあり、付きやすいが落ちやすい脂肪ともいわれています。
また、内臓脂肪が蓄積すると血圧、血糖、コレステロールなど複数の健康リスクを抱えやすいともいわれており、生活習慣病などに注意が必要です。
顔や体は太っているわけではないのに、お腹だけがぽっこりと出ている体型の人は、内臓脂肪がついてしまっている可能性が大いにあります。
内臓脂肪は皮下脂肪と比べて代謝活性が高いとされています。そのため、食事を整えて、積極的に運動を行い、うまくカロリーを消費すれば、皮下脂肪よりも落としやすい脂肪であるといわれています。
内臓脂肪はなぜ増えるか

内臓脂肪が増えるのは、消費エネルギーよりも摂取したエネルギーが多くなることが原因といわれています。べすぎや高カロリーの食事によって摂取されて使いきれなかったエネルギーが脂肪となり、内臓に蓄積してしまうためです。
運動不足や加齢による基礎代謝の低下も、内臓脂肪が増える原因といわれています。
運動不足で筋肉量が少ない場合、エネルギーを消費しにくい体質になっており、結果として内臓脂肪を蓄積しやすい傾向にあります。
さらに、睡眠不足も内臓脂肪が蓄積する原因になるといわれています。睡眠のリズムが乱れていると、体内時計を混乱させてしまいます。
その結果、体に脂肪を溜め込もうとするホルモンが分泌され、内臓脂肪がつきやすい体質になってしまうといわれているのです。
内臓脂肪が多いと

内臓脂肪が増えすぎると、脂肪細胞からインスリンのはたらきを阻害する物質や、血栓を作る物質(悪玉アディポサイトカイン)が分泌されます。
すると、インスリンのはたらきが悪くなるため、脂質異常症や糖尿病の状態となります。
メタボリックシンドロームは、肥満までは至っていなくても、ウエスト周りが男性なら85cm以上、女性なら90cm以上で判定され(※)、すでにこの段階で内臓脂肪が体内に蓄積していると考えられます。
また、内臓脂肪が増えると、肥満(メタボリックシンドローム)につながるだけでなく、高血圧、脂肪肝、動脈硬化など、健康状態に悪影響が及びます。
※…メタボリックシンドロームの判定には、ウエスト周りに加え、高血圧・高血糖・脂質異常の3項目のうち2つに当てはまること、そして、内臓脂肪の蓄積、血圧・血糖値・血清脂質のうち2つ以上が基準値を超えていることが必須条件となります。
生活習慣病の原因に

肥満に付帯した様々な生活習慣病を引き起こす内臓脂肪。
中でも「脂肪肝」には注意が必要です。
脂肪肝は、悪化すると肝臓がんを引き起こす原因にもなります。肝臓に負担がかかるお酒を普段飲まない人でも、生活習慣による内臓脂肪の蓄積は、病気のリスクも高めます。
さらに、認知症の原因になる可能性もあります。
便秘や逆流性食道炎の原因に
飲酒が多く、油っぽいものをよく食べる、ストレス、過食など、胃液をたくさん分泌する生活習慣は、逆流性食道炎のリスクも高まります。
<逆流性食道炎になりやすい人の特徴>
・油っぽいものをよく食べる
・飲酒の機会が多い、過食しがち
・ストレスがある
ダイエットの悪循環の原因に
満腹中枢が鈍くなってしまい、過食につながるため、ダイエットの妨げになってしまいます。
内臓脂肪を減らす運動の種類

内臓脂肪を減らすためにはどのような運動をすればよいのでしょうか。
内臓脂肪を燃焼させるためには有酸素運動(ウォーキング・自転車・ジョギング・水泳など)をすることが効果的です。
週の運動量が多ければ多いほどより内臓脂肪は燃焼されますので、毎日継続して運動を行うことが望ましいと言えるでしょう。
また、有酸素運動は強度よりも継続する時間と言われています。
そのため、例えば5分ランニングを行ったとしても10分間ジョギングをした方が内臓脂肪は燃焼されると考えられています。
30分続けてジョギングを行った場合でも、1日に10分間のランニングを3回行った場合でも内臓脂肪の燃焼する量に大差はないと考えられています。
ですので、有酸素運動を継続して行い、習慣化されることをおすすめしています。
内臓脂肪があるメリット

内臓脂肪は、健康上は減らすことが大切ですが、最低限必要な脂肪でもあります。
内臓脂肪には、内臓の正しい位置を保ち、内臓への衝撃を和らげる役割があります。
肋骨ではすべての内臓を守りきれないため、内臓脂肪にもメリットがあるのです。
内臓脂肪が女性につきやすいのは、子宮を守るためとも言われています。また、つきやすいが落としやすいのも内臓脂肪の特徴です。

いかがでしたか?
内臓脂肪が一概に悪いものではなく存在するメリットなどあるのは意外だったのではないでしょうか?もちろんありすぎるのはよくありません。
正しく健康的なダイエットを行っていきましょう。
記
パーソナルトレーニングジム
TRAINER’S GYM高円寺店
トレーナー 古林修

記事の担当者:古林修